SIXIÈME GINZA MAGAZINE 009

Days with Jewelries

Interview with Mizuyo Yoshida

本物との出会いを楽しむ日々

若い頃からファッションが好きで、ファッション雑誌を愛読し、導かれるように様々なブランドに出会いました。そこで興味をひかれたのが「ファッションプレス」というブランドのプレス活動をするお仕事です。中でも私の気になるブランドばかりを紹介してくださる方がいます。ステディ スタディというPRオフィスを主宰されている、𠮷田瑞代さんです。PRされるブランドやご本人がファッショナブルなのはもちろんのこと、ライフスタイルまで大人の女性としてお手本にしたい憧れのお一人です。

ジュエリーに遊び心をプラスする余裕

𠮷田さんとお話しする機会に恵まれ、海外の魅力的なブランドやクリエーションに触れるお仕事をされている𠮷田さんにジュエリーについてお話を伺いました。
「女性はどなたでもそうだと思うのですが、物心つきはじめるとジュエリーに興味を抱くようになりますよね。そんな時に母から言われたのは、将来、宝石を持つのなら三つも四つも買うよりも、大人になっても使えるちゃんとしたものを一つ持ちなさいと。その影響だと思いますが、自分でジュエリーを買えるようになると、まずはじめにラグジュアリーブランドの指輪を購入しました。もう少し広く世の中のことを知り、仕事が充実してくると、もっと遊び心のある本物のジュエリーに興味を持つようになっていきました」。
年齢やお仕事、社会との関わりとともに、ジュエリーへの興味の変化を楽しまれてきたということでしょう。
「フランスのラグジュアリーブランドのPRを担当した時、デザイナーと意気投合して、これまでのジュエリーに関する意識が大きく変わりました。そのデザイナーの遊び心のある大振なジュエリーに魅せられて、大人のかわいさを意識するようになりました」。
人との出会いを大切にしながら、意識の変化や新しい発見に胸躍らせる。そんな𠮷田さんのジュエリーへの興味の変化はさらに続きます。

作り手の本気に胸躍らせる

「昔購入した本物のジュエリーたちは今も大切にし、宝石箱で美しい輝きを見せています。そして、色々なお仕事を通じて、工房で生み出されるとても手の込んだ職人技への興味が湧き、ジュエリーの作り手を意識するようになりました。デザインや職人技といったその時々の自分にインスピレーションを与えてくれるジュエリーとの出会いを大切にしています。ただ共通しているのは、子供の時の母の教えである、ちゃんとしたものを選ぶということ。それはデザインや職人技について、作り手が本気かどうかということですね」。
作り手の本気。それを見極めることができるのは、様々なジュエリーとの出会いで培われた大人の審美眼なのでしょう。

日本の美、パールの再発見

お会いした日、𠮷田さんの指には美しいパールの指輪が佇んでいました。
「日本の真珠ブランドとお仕事をすることとなり、パールのアクセサリーにとても大きな可能性があることに気が付きました。日本のパールを斬新にアップデートして、まるでアートピースのようなジュエリーを作るデザイナーたちがいます。パールはいわば素材。その素材を活かしながら、どこまで新しいものに仕上げられるか。そんな新しい出会いがあるたびにワクワクします」。
𠮷田さんのジュエリーのコーディネートについてお伺いしました。
「どんな方と会うのか、どんなお仕事なのかを考えて選んだりしますが、その時々の自分らしさ、自分の気持ちにフィットするものというのが何よりも大切ですね。中でも指輪は、自分の目で直接見ることのできる唯一のアクセサリーなので、気分を高揚させてくれます。年齢を重ねると指や手もそれなりに変化してくるので、そこに似合う指輪も変わってきますね。少しデザイン性があって、遊び心のあるものを大人の余裕として楽しみたいです」。

ジュエリーとの出会いを重ねて、今なお新しい発見に胸躍らせる𠮷田さん。大人だからといって落ち着くのではなく、大人だからこその新しい美との出会いに向かわれる𠮷田さんの姿勢を見習いたいと思いました。

SOPHIE BILLE BRAHE

ソフィー ビル ブラーエ

デンマーク・コペンハーゲン発、デザイナー自身の名を冠したジュエリーブランドで2011年に初のコレクションを発表。ブランド設立前より、マドンナの50歳の誕生日リングを始め多くのデザイナーやセレブリティー向けにアクセサリーをデザインしていたことから、ファッション業界で注目を集めていたソフィー。
ストーリーを反映させたアヴァンギャルドなデザインでありつつも、モダンラグジュアリー。本物と遊び心を両立させた審美眼を持つ𠮷田さんの心を射止めたのも納得できる、大人の女性が身に付けていたいジュエリーの一つである。

株式会社ステディ スタディ 代表取締役

𠮷田 瑞代(よしだ みずよ)

愛知県出身。アメリカの大学を卒業後帰国し、国内ブランドのプレスとして携わる。1998年頃からフリーランスのアタッシュ・ドゥ・プレスとして活動を始め、2000年にステディ スタディを設立。Chloe、MONCLER、EMILIO PUCCIなどを始めとするブランドのPR業務を主に、国内外を問わず、イベントの企画、制作、運営やコンサルティングなどを手掛ける。ファッションだけに留まらずライフスタイル全般のPRも行っている。